爺と婆の会話ー国葬儀を行うことは行政府の権限? 

婆:この議論一体何なの?なんだかかみ合ってない感じがするけど。
爺:かみ合ってないと感じた婆の感覚はまともだよ。質問者は、国葬を行うという決定を内閣がしたことの法的根拠を尋ねているのに、総理は、それには答えずに、決定した国葬を執り行うのは行政府である内閣の権限に属すると言ってるのだからね。 
婆:ん?どういうこと?
爺:国の権限は、立法・司法・行政という3つに別れているということは知ってるね?
婆:三権分立っていう、あれ?
爺:そう。立法と行政の関係を、ざっくりと説明すると、立法は、国が何をどうするか、どのような政策を立てて実行するか、それにはどれだけの予算を使うかなどという国がやることの方針を決めて、行政は、そうやって立法が決めた方針を実行するという関係にあることはわかる?
婆:うん、なんとなく。私が立法で爺が行政だとしたら「私決める人」「あなたする人」というわけね。
爺:いささか乱暴だけど、まあ、そんなところかな。
 で、国会でのあの議論は、立法の権限を担っている国会議員が「決める人は私たち国会なのに、あなたは一体どういう根拠で国葬を行うことを決めたのですか」と質問しているのに、総理は、「私はする人です。行うことは私の権限です」と答えているのだよ。ずれてるだろ。
婆:そうね。
爺:このズレがどれほどひどいことか余り気づいていない人が多いようだけどね。
婆:どういうこと?
爺:立法と行政だけでなく、司法と立法との間にも「私決める人。あなた行う人」という関係があるんだけど、わかる?
婆:?
爺:司法が裁判所の持っている権限だということはわかるよね。
婆:うん。
爺:裁判所が、例えば、刑事裁判で被告人を死刑にしたり懲役刑にしたりするのは、刑法や行政法などという法律があって、そこに、「これこれのことをしたら○○円以上の罰金にする」とか、「1年以上3年以下の懲役にする」と決めてあるからだよね。
婆:そうね。
爺:法律には「1年以上3年以下の懲役にする」と決まっているのに、裁判所が勝手に、こいつ気に食わないから、というので「20年の懲役」や「死刑」にしたらトンデモないことになるよね。
婆:そんなことになったら、国民は、みんな裁判官の顔色を見て、ビクビクして生活しなければならなくなっちゃうじゃない。
爺:その通り。それが、以前の絶対王政などの時代の姿で、人々は、いつどんな理由で処罰されたり、財産を没収されたりするかわからないという状態だったんだ。そうしたことをなくすために生み出されたのが立憲主義とそれに基づく三権分立の仕組みなんだ。
総理の答えは、立法と行政との立憲主義の大原則となっている「決める者」「決めたことに従って行う者」という関係を無視して行政を「決めたことに従って行う者」だけでなく「決める者」でもあるとしていることになるのだ。
婆:それって、裁判所が、刑法や民法やまして憲法も無視して、「法を決めるのは自分たちだ」と言って、自分たちの好き勝手に判決を書き始めるのと同じことにならないのかしら?
爺:まさに、その通り。だから、「国葬儀を行うことは行政の権限」というあの言葉は、憲法の三権分立の大原則を泥足で踏みにじるのと同じなんだよ。
婆:三権を無視してなにもかも自分たちが勝手に決めて勝手放題やってきたというなら、それって、安倍一強と言われた時代そのものじゃないの。
爺:そうだね、法制局長官の首をすげ替え、国営放送の会長や役員の首をすげ替え、役人のトップの人事をすげ替え、自分と同じ党の議員でも自分のいいなりにならないとなるや対抗馬となる候補者を立てて億単位の選挙資金を渡してなりふり構わない汚い選挙によって、議員からひきづりおろし…………、そうしたことの背後では、統一教会と組んでこの国の政治をゆがめてきたわけだものね。だから、そんな風に、憲法を泥足で踏みにじり続けた人を国葬にするなんてあり得ないとこの爺さんは思うわけよ。

ひさびさの爺と婆の会話

1 誰が汚染源なのか
田崎:若い世代の議員さんたちは、統一教会について知らなくてもやむを得ないところがある。
爺:何を言ってるんだか。だったら、祖父(岸信介)の頃から統一教会と密接な関係にあったアベは、統一教会について知り尽くしているのだから、党の総裁・派閥の領袖として、正しい知識を知らない若い議員たちに、統一教会が何をしてきた団体か、きちんと教えて警告する責任があったことになるじゃないか。
婆:でも、実際にやってきたことは、選挙のときに、統一教会の票を配分してたんでしょ。宮島喜文議員が告白してたよね。
爺:そう。2期目は、アベに断られて出馬を断念したって。要するに当選の決め手に統一教会票がなっていたわけだ。
  首相が言う国葬の理由の1つ「長期政権」は、統一教会との売国的な関係に支えられていた結果じゃないか。そんな腐った長期政権が一体どういう功績だというのだろうね。
婆:自民党や政界の統一教会汚染がここまで進んでしまったのは、アベと統一教会との深い関係が、アベ一強体制を支えてきたからでしょ。アベにならって統一教会にすり寄らなければ自民党の公認候補にもなれないし、党内で出世もできないということだったんじゃないの?
  アベの元秘書井上議員や稲田議員や萩生田政調会長など、お気に入りたちが軒並み統一教会と深くつながっているのはそのためでしょ。

2 真相究明できない?
首相:御本人が亡くなっているから、調査するにも限界がある。
婆:死人に口なしっていうけど、死んだらどんな悪行も無罪放免というわけね。
爺:そうだね。この理屈が通るなら、桜も森・加計も、今後は「本人が亡くなっているから調査するにも限界がある」と言って、これ以上議論したり真相究明を目指したりする動きは全部シャットアウトするつもりなんだろうね。
婆:本人が亡くなったから、それまで本人が蓋をして表に出てくることが無かった統一教会との関係がこんなにボロボロと出てきているんじゃないの。